落馬州展望台より中国特別経済区SHENZENを望む

SHENZEN特別経済区

この落馬州(Lok Ma Chau)の国境展望台については香港に来る前に読んだ沢木耕太郎の深夜特急という小説に出てきた事や、ト小平の"金持ちになれるものからなったらいい"といって壮大なる実験を成功させたShenzenの街を香港側からこの目でぜひ見ておきたいと思いここを訪れました。  1997年8月のことです。 回帰以前はまさにここが英領香港と中国本土との国境地帯で国境警備隊が中国からの密入国者を取り締まっていたところです。 ここへのアプローチは九廣鉄道で上水(Shonsoi)駅まで約40分、そこからクーラーなしのダブルデッカーバスでがたがた道を砂煙を上げながら20分程、バス停から沢木の書いている通りの田舎道(未舗装)をとぼとぼと40分ほど歩いていくと展望台への曲がり角に達し、そこから150メートル程の上ると展望台に到着します。真夏の土曜日のせいか展望台には人影はなく、売店のおばさんが暇を持て余しているようでしたが、私が近づくと何か土産を売ろうと広東語ではなしかけてきました。ムユウラ!(いらないよ) といいながら売店を抜けると視界が開けそこに展望台がありました。

写真を見ると一目瞭然ですが、香港側ののどかな水田風景と、川を挟んでShenzen側のタワービルとが中国ならではの調和を保っています。

1974年当時ここを訪れた沢木は深夜特急の中で 次のように書いています。

SHENZENが出来る以前の中国本土
手前の小屋は現在と同じ

"国境へは、九龍から上水まで汽車に乗る。鉄道は中国広州へと続いているが、上水より先は許可証がなければ行かれないとのことだ。 汽車は三等級に分かれていて、1ドル10セントの三等に乗ると、ようやく坐れるぐらいの混みようだ。沙田、大埔、粉嶺などという駅を通って約1時間ほどで上水に着く。汽車を降りて二人でぼんやりしていると、英語で話し掛けてくる男がいる。白タクの運転手で、勒馬州の国境展望台まで30ドルで行くというのだ。張君が中国語で返事をすると、びっくりしたように中国語に切り換え、一挙に25ドルに値下げしてきた。 25ドルでも安くはなかったが、歩けば2時間はかかるという。私はいいが張君に悪い。それが往復の値段だということを確かめて乗ることにした。 15分も走ったろうか。水牛が荷車を曳いていたり、農家の庭先でニワトリやアヒルが遊んでいたりする田園地帯を通り過ぎ、道を右に曲ったと思うと小高い丘が見えてきた。そこが香港から中国本土を眺めるのに最適の場所とされている勒馬州の国境展望台だった。 丘を登り、ただの丘の頂上にすぎない展望台から北を望むと、眼下にゆったりと川が流れ、その向こうに中国大陸の広大な水田がひろがっていた。水田の間にポツリポツリと小さな集落があり、昼食の支度でもしているのか煙がたなびいている家もある。 そして、さらにその遠くになだらかな山の稜線が見える。 国境の緊迫感といったものがどこにもないようだが、記念写真を撮りあっている中国人の若いカップルに混じって、さっき張君の家であった阿媽の様な老婆が、ひとりでじっと遠くを眺めていたりする姿を見かけると、 こちらの胸に迫ってくるものを感じないわけにはいかなくなる。、、、、"

これが書かれた74年当時の展望台から眺められた風景と、現在の風景は、 まるで中国本土側だけが21世紀にタイムスリップしたような感じを受けます。

落馬州展望台へのKCR下車駅上水駅

ここから先は中国のビザがないとSHENZEN
へは入れない。中国国境のの駅。

落馬州展望台への入り口

この前に警官2人が暇そうに国境警備??をしていた

展望台へのアプローチの途中にある民家。

展望台の売店。