故宮博物院(台北)
青磁器六点

台北の故宮博物院に収蔵されている青磁器のうち宋時代に作成されたものを取り上げます。(2001年11月取材)
中国の陶磁器製作は宋時代に黄金時代を迎え、工芸技術が最高潮に達したといわれていますが、特に装飾を排し、肉薄の引き締まった形状と透きとおった青色の青磁器は愛好家の心をとらえて離しません。

中でも汝窯の青磁は、陶芸技術の粋を集めた宮廷御用品であり世界中で現在確認されている点数は63点しかないとされています。
台北に21点、北京に18点、上海に8点、英国デビット財団に7点、日本に2点、その他は個人所蔵品とされています。

汝窯

北宋汝窯無文水仙盆(12世紀前半) 


水仙を栽培するための楕円形の水盤で、水の交換を容易にするため楕円形にされていると伝えられている。
この水仙本には汝窯のものにしては珍しく貫入がほとんどなく、高く評価されてきている。


北宋汝窯青磁楕円洗(12世紀前半)


この楕円洗は青磁の色が絶妙な味わいを出し、かすかな貫入を含み、秀作と高く評価されている。


宋官窯

宋官窯青磁葵花式碗(12世紀)


六弁の輪花をかたどった口径22.7cmの大碗。形状安定感と青磁の発色が素晴らしい。


南宋官窯青磁弦紋樽(12-13世紀)


漢代の酒樽に似せて作られた香炉で、汝窯にも同じも形のものがある(ディヴィッド財団所蔵)。

南宋官窯青磁瓶 (12世紀) 


高さ25.9cm口径16.5cmの青磁瓶。装飾をできるだけ排しているが重量感がある。


越窯 秘色青磁

最後に青磁のルーツのひとつとして五代時代の秘色青磁。非常に高価なものとされ埋葬品とされたものが多い。

五代越窯秘色青磁水洗(10世紀)



台北故宮博物院は2007年に改装工事が終わりリニューアルオープンされました。展示方法も年代別になりよりい鑑賞がしやすくなったと聞いています。近いうちにぜひ再訪したいと考えています。


   
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